魔法おじさんは世界で7つの海と戯れブログぴー

ブログタイトルの「ぴー」の部分には下ネタや差別発言を日替わりで表示させていたのですが、各方面から袋叩きにあったため伏せ字にした「ぴー」です。

avoir型複合過去 フランス語は過去分詞で性数一致篇


本日はいつもと趣向を変えて間違い探しから始めてみようと思いますです。

ハイスクール時代の先生が、絶妙な引っ掛け問題を出して、どうにかして間違えさせようとしてたのを思い出します。

一旦間違えて、そこから正解を知れば記憶に強く残るから。

と先生が考えていたかは尻ませんけれども。

まんまと引っ掛け問題にはまって間違えて、してやったりな先生の顔を思い出すと今でも若干ストレスを感じます。

 

さて以下の文、誤りが一箇所あります。

どこだかわかりますですかねみなさま。ぼくわかんない。

J'ai revendu la maison que j'avais acheté.
(私は買った家を売りました)

例文は、口が覚えるフランス語 より

 

 

être型とavoir型の複合過去

フランス語の過去時制は、基本的に複合過去を使います。

複合過去は「助動詞+過去分詞」で構成され、自動詞は「êtreavoir」が用いられます。

NHK出版 これならわかるフランス語文法
複合過去形 より

 

助動詞は、大多数の動詞ではavoir、主語の移動を表す動詞など一部のものではêtreを使います。

 

「何か主語が移動してそうだな」と感じたら、être

それ以外の動作はavoir

まずはそうやってあたりをつけるのがよいでしょう。

 

複合過去における過去分詞の性数一致

過去分詞には形容詞的性質も含まれているため、主語と性数一致が起こります。

ただし、être型の場合のみ。

 

NHK出版 これならわかるフランス語文法
複合過去形 より

助動詞がêtreの場合、過去分詞は主語と性・数が一致します

avoir型複合過去の場合、性数一致は起きません。

 

avoir型で性数一致は起こりません。

。。。とある場合を除き。

 

「とある場合」とは、以下です。

 

NHK出版 これならわかるフランス語文法
分詞 より

助動詞がavoirの複合形(複合過去など)で、直接目的語が動詞よりも前におかれている場合、過去分詞は直接目的語の名詞句の性・数と一致します

直接目的語は通常、動詞の後ろに置かれますが、何らかの事情で動詞よりも前に来た場合、avoir型かつ複合形の過去分詞は直接目的語と性数一致が起きます。

 

「直接目的語が動詞よりも前」というのが今日の味噌ですね。

 

以上を踏まえまして。

再び本日の例文を見てみましょう。

J'ai revendu la maison que j'avais acheté.
(私は買った家を売りました)

文中には複合過去が2箇所あります。
J'ai revendu
と、
j'avais acheté.
です。

「J'ai revendu 」は通常の形態なので問題はありません。

一方で「j'avais acheté.」の前には、「la maison que」が置かれています。

これは「先行詞+関係詞」です。

この「先行詞+関係詞(マンション)」は、「j'avais acheté(私は買った)」の直接目的語です。

直接目的語の「マンション」の後ろに主語+動詞(私は買った)という順番。

過去分詞のachetéより、直接目的語が前に位置しているということです。

となると、前述した「avoir型複合過去性数一致のルール」が発動します。

NHK出版 これならわかるフランス語文法
分詞 より

助動詞がavoirの複合形(複合過去など)で、直接目的語が動詞よりも前におかれている場合、過去分詞は直接目的語の名詞句の性・数と一致します

直接目的語は通常、動詞の後ろに置かれますが、何らかの事情で動詞よりも前に来た場合、avoir型かつ複合形の過去分詞は直接目的語と性数一致が起きます。

 

つまり、achetéに性数一致が必要になります。

直接目的語は「la maison」の女性名詞ですから、achetéも女性形にする必要があるというわけでございますね。

 

以上を踏まえまして、本日の例文を正しい形に修正してみましょう。

J'ai revendu la maison que j'avais acheté.

J'ai revendu la maison que j'avais achetée.

ウェイヨー!!

 

おまけ

なんでavoir型だとそんなややこいことになんの?

という疑問を持たれた方は、こちらの記事が超参考になります。

 

どうして直接目的語が前にあるとき、 過去分詞は性数一致しなくてはならないの?
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/ghf15

 

このサイトは、本当に内容が濃ゆいです。

 

と、いうわけで。

僕のブログを読んでくださっているダイナマイト・完全・フランス語・エリートのみなさまであれば、「そんなもんとっくの昔に知ってるよ」という思われることでしょう。

しかしながら、会話というスピード感の中で、「受動態?代名動詞?これはêtre型か?いやavoir型だから性数一致なし、、いや直接目的語が前に出てるから性数一致、アリかい!」なんてやってると意外と頭パーンなったりします。

拙著「外国語の筋肉」の中でもお話さしてもらっておりますが、単語や文法を覚えた後は、「反射筋」を鍛え、反応スピード上げていく学習取り入れていくことをオススメしています。

やっぱり、せっかくお勉強して身につけたフランス語ですから、読み書きだけでなく、会話のキャッチボールも楽しみたいじゃないですか。

フランス行ったらレンタルサイクルでグラン・クリュ認定ブドウ畑地帯を爆走して、ブルゴーニュ娘の運転する車に後ろからはねられ、それをネタに娘を強請ってシャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョで贅沢三昧するぜ。

って妄想をしながら以上、avoir型複合過去も性数一致はあるよ!でした。

本日の参考図書達