魔法おじさんは世界で7つの海と戯れブログぴー

ブログタイトルの「ぴー」の部分には下ネタや差別発言を日替わりで表示させていたのですが、各方面から袋叩きにあったため伏せ字にした「ぴー」です。

faire?jouer?フランス語はスポーツ動詞の使い分け

同じ「サッカーをする」なのに上はfaireで下がjouerなのは何でだか知ってますですかねみなさま。ぼく知らない。

Je joue au football et au tennis pendant les vacances.
(休暇中はサッカーとテニスをします)

Je fais du football, de la natation et du judo.
(私はサッカーと水泳と柔道をしています)

 

例文は、口が覚えるフランス語 より

 

 

毎度毎度で悩んでしまう例文がひとつはあるんだよなあ、と何となく感じておりましたが。

僕もアホではありませんから、いい加減気付きましたよ。

著者のクリスティアンさんと山下さんが、こういった学習者が絶妙に悩み苦しみ戸惑う例文を意図的に散りばめているということに。

 

クリスティアンさん「ココデ、faireトjouerヲマゼルト、ミンナビックリシマス」

 

山下さん「プーッ、クスクス!」

 

 

動詞faireとjouerの意味

まずは辞書の意味から。

スタンダード 仏和辞典 より

faire
faire+部分冠詞+名詞(スポーツを)する、学ぶ、習う、携わる

 

jouer
遊ぶ、戯れる
競技をする
(球を)打つ、投げる、蹴る

 

辞書の意味的に、jouerは競技に対してのみフォーカスされていますが、faireには競技やスポーツを通じて人間的な向上を目指すニュアンスが感じられるような気がしませんですかねみなさま。

 

動詞faireとjouerの使い分け

こちらの記事が分かりやすくまとまっていましたよ。

 

フランス語文法:動詞Faire対Jouer

www.leaflanguages.org

Jouer:
対戦相手のいるチームスポーツに対して用いられる
ボール、バット、クラブ、スティックなどを使用するスポーツに用いられる

Faire
一人で行えるスポーツや活動に用いられる

 

Faireの解説を見て「サッカーは一人でできないのでは?」と思いました。

なので、もう少しイメージを膨らまることにします。

 

前置詞のàとdeで考える

「スポーツをする」という動詞で考えた場合、動詞の後ろにそれぞれ前置詞が続きます。

 

faire de
jouer à

 

この前置詞の違いをヒントに考えてみます。

 

スタンダード 仏和辞典 より

à:
方向・場所

 

de:
出発点・起源

 

前置詞のàは場所、deは起源のイメージで考えてみます。

 

動詞と前置詞から考える jouer à

動詞jouerは前述した「チームスポーツに対して用いられる」というところから、対戦相手やチームメートの存在が意識されます。

 

それに加えて「à」という前置詞により「場所」というニュアンスも付加されます。

 

サッカーグラウンドがあって、対戦相手やチームメイトなどプレイヤーが何人も集まって、そこにボールを放り込んでサッカーという競技を行う場所。

 

つまり、身一つでその場所へ行けば「サッカーという競技の完成体がある」というイメージです。

 

動詞と前置詞から考える faire de

一方で動詞faireは、一人で行う行為でも使用できると説明されています。

 

サッカーを試合形式でやろうとすると一人ではできません。

 

しかしながら、例えばリフティングとか、ドリブルとか、シュートとか、フリーキックなどのトレーニングであれば、一人でもできます。

 

そしてそれらの動作は、「サッカー」という競技につながっています。

 

ドリブルやシュートやボールコントロールなど、それぞれの動作単体ではサッカーになれません。

 

しかしながら、サッカーを構成する要素の一部です。

 

サッカーの完成体ではないけれど、サッカーの構成要素であると。

 

つまり、「部分・起源を表す前置詞のde」の出番だったということですね。

 

以上を踏まえまして。

本日の例文を見てみましょう。

1.Je joue au football et au tennis pendant les vacances.
(休暇中はサッカーとテニスをします)

2.Je fais du football, de la natation et du judo.
(私はサッカーと水泳と柔道をしています)

 

「1」のjouerは、休暇中のリラックスした過ごし方として、お友達と軽井沢かどっか行っておテニスを、時には渋谷で時間いくらのフィールドをレンタルして仲間と集まってフットサルを、ゲーム形式で楽しんでいる姿をイメージすることができます。

そこにはプレイヤーやフィールド、道具が揃っていて、「サッカー」「テニス」をプレイすることができます。

 

一方で「2」のfaireは、競技のレベルアップや健康増進のため、日課として反復している個人練習や個人トレーニングも含めたスポーツをイメージすることができます。

 

向上心を持って「サッカーを構成するドリブル練習をする」「水泳を構成するバタ足を練習する」「柔道を構成する受け身を練習する」といった部分練習を想定しているのかもしれませんね。

 

僕の中のイメージが、みなさんにも伝わりましたでしょうか。

 

 

と、いうわけで。

以上、JouerとFaireの使い分け。

ゲーム形式で楽しむならJouer、ガチでストイックならFaire!でした。

 

本日の参考図書達