魔法おじさんは世界で7つの海と戯れブログぴー

ブログタイトルの「ぴー」の部分には下ネタや差別発言を日替わりで表示させていたのですが、各方面から袋叩きにあったため伏せ字にした「ぴー」です。

rendre visite à で学ぶフランス語の代名動詞 と再帰代名詞

今日のテーマは「rendre visite」です。

以下の例文とともに、代名動詞への理解をより一層深めていきましょう!

Tu me rendras visite quand j'aurai déménagé.
(私が引っ越したら、私に会いに来てください)

口が覚えるフランス語 より

 

「代名動詞…はて?」と疑問に感じたみなさま!

多分それ、正解かもしれませんよ。

 

代名動詞のおさらい

代名動詞とは?

 

NHK出版 これならわかるフランス語文法
代名動詞・代名動詞構文 より

再帰代名詞を伴った動詞を代名動詞と言います。

 

再帰代名詞って?

 

NHK出版 これならわかるフランス語文法
人称代名詞 より

主語と同一のものを指す代名詞で、とりあえずは「自分を、自分に」という意味だと考えられます

 

自分の行為が、自分に戻ってくる。

だから再帰代名詞なのですね。

 

代名動詞のse rendre

まずはse rendreの意味から。

 

新スタンダード仏和辞典 デスク版 より

se rendre:代名動詞
行く、赴く
降伏する

 

rendre」単体だと「返す」という意味ですが、それが代名動詞になると、なんで「赴く」という意味合いになるんですかね。不思議。

 

と、そんな彷徨えるフランス語学習者のために、六鹿先生はちゃんと先回りをしてくれていましたよ。

 

六鹿豊 NHK出版 これならわかるフランス語文法
もとの動詞の意味とずれるもの より

もととなる動詞は現在でも使われますが、代名動詞として使う場合とは意味が異なります。
se rendre 赴く、降伏する(rendre 返す)

 

何かの名残なんですかね。

真相はわかりませんが、いつかフランスに行って、ゴスロリファッションに身を包んだフランソワ―とお近づきになった暁には、話のネタとしてこの疑問をぶつけてみたいと思いますよ。

それにしても相変わらず、六鹿先生の文法書はそのカバー範囲がすごいですね。

 

2人称における未来形の命令的用法

ちょっと横道に逸れますが、せっかくなので例文のrendrasがなにゆえに未来形なのかも見ておきましょう。

 

Tu me rendras visite quand j'aurai déménagé.
(私が引っ越したら、私に会いに来てください)

 

NHK出版 これならわかるフランス語文法
単純未来形 より

2人称の主語で単純未来を使って、命令や指示を表すことがあります。

 

未来形が命令のニュアンスを持つ場合もあるってー。

本日の例文では、rendreが2人称の単純未来形になっています。

Tu me rendras visite quand j'aurai déménagé.
(私が引っ越したら、私に会いに来てください)

 

「会いに来て」と軽い命令になっていて、そのニュアンスを表現するために二人称単純未来形になっとるのですねー。

 

以上を踏まえまして。

本日の例文を見てみましょう。

Tu me rendras visite quand j'aurai déménagé.
(私が引っ越したら、私に会いに来てください)

Tu:主語
me:再帰代名詞
rendras:代名動詞
visite:目的語?
quand j'aurai déménagé:時を表す関係節

 

文の構成要素は↑こんな感じかなー?

 

 

なーんて考えたみなさま。

おめでとうございます!ほぼ不正解です!

ほぼっつーか、完全不正解です!

テストだったら0点です!ざまぁ!!

…なーんてなことはこれっぽっちも思っておりませんが、冒頭で「再帰代名詞…?」「代名動詞…?」となにやら違和感のようなもの感じていたみなさま。

 

多分その感覚、正解です!

 

再帰代名詞とは。

もう一度再帰代名詞をおさらいしてみましょう。

 

NHK出版 これならわかるフランス語文法
人称代名詞 より

主語と同一のものを指す代名詞で、とりあえずは「自分を、自分に」という意味だと考えられます

 

再帰代名詞は、主語と同一のもの指すとあります。

 

Tu me rendras visite quand j'aurai déménagé.

きみ(tu)」と「ぼく(me)」は、どう頑張っても違う人です。

 

つまりこれ、何か再帰代名詞じゃなくないですか?

 

じゃあ、代名動詞とは?

再帰代名詞だと思っていたものが再帰代名詞じゃぁなかった。

そうなると、代名動詞かどうかも怪しくなってきますね。

 

NHK出版 これならわかるフランス語文法
代名動詞・代名動詞構文 より

再帰代名詞を伴った動詞を代名動詞と言います。

 

Tu me rendras visite quand j'aurai déménagé.

me再帰代名詞ではないということは、このrendre再帰代名詞を伴っていないということになります。

 

つまり、代名動詞でもないということです!

 

じゃあなんなの。

今だから言える。

僕、なんかしらの人称代名詞が動詞の前に置かれてたら代名動詞だと思ってました。

動詞の前に置かれてる人称代名詞を、漏れなく全て再帰代名詞と呼ぶのだと思ってました。

でも違ったんですね。

 

コトバンク
プログレッシブ 仏和辞典 第2版 より

https://kotobank.jp/frjaword/rendre

rendre: [他動]
➎ (返礼の意識なしに)…を行う,与える.
rendre visite à qn|…を訪問する

 

そうなると、今日のrendreは代名動詞じゃなくて、ただの他動詞なのかもしんない。

 

「me」の正体は、間接目的語人称代名詞

間接目的語人称代名詞とは?

 

NHK出版 これならわかるフランス語文法
人称代名詞 より

間接目的語人称代名詞は、<前置詞 à +(人)>の代わりをします。

 

本日の例文のmeは、再帰代名詞じゃなくって、「à + 私」という間接目的語人称代名詞だったということです。

 

以上を踏まえまして(再)。

再び本日の例文を見てみます。

Tu me rendras visite quand j'aurai déménagé.
(私が引っ越したら、私に会いに来てください)

 

話をわかりやすくするため、間接目的語人称代名詞のmeを「à + 人」の形に戻してみましょう。

Tu me rendras visite quand j'aurai déménagé.

Tu rendras visite à moi quand j'aurai déménagé.

ッアー!!

何かもう、この形がすべてをものがたっているような気がしませんかみなさま。

me」は「à + moi」が置き換わった間接目的語人称代名詞。

主語と目的語が同一ではない=再帰代名詞ではない。

ゆえにme rendrasも代名動詞ではない。

代名動詞ではないつまり他動詞。

そしてrendrasは「君」に対する2人称の未来形。なので軽い命令形。

以上を踏まえますと!

 

Tu me rendras visite quand j'aurai déménagé.
君は訪問先を私にして赴きなさい、私が引っ越しをした時に。

私が引っ越ししたとき、私に会いに来てね。

 

ウェーイ。

 

冒頭でse rendreの辞書の意味を紹介しましたが、

se rendre

と、

se rendre visite(rendre visite à +人)

は別物と考えたほうが良さそうですね。

こんなところでいかがでしょうかみなさま、ウェイヨー!!

 

と、いうわけで。

rendre visiteを解説するつもりが、代名動詞からの再帰代名詞のラビリンスにすっかり迷い込んでしまいました。

長くなってしまったので、rendre visiteの深堀りはまた次回にしようと思いますよ!

本日のところはそんなわけで以上、再帰代名詞だと思ったらそれは間接目的語人称代名詞で、そうなると代名動詞だとおもってたのがなんか他動詞!でした。

 

本日の参考図書達