魔法おじさんは世界で7つの海と戯れブログぴー

ブログタイトルの「ぴー」の部分には下ネタや差別発言を日替わりで表示させていたのですが、各方面から袋叩きにあったため伏せ字にした「ぴー」です。

faire?jouer?その② フランス語は楽器演奏動詞の使い分け

faireとjouerの使い分けで悩むこと。

前回はスポーツ篇でしたが、今回は楽器の使い分け篇です。

Je fais du piano, de la guitare et parfois je joue du saxophone.
(私はピアノ、ギター、時にはサックスを演奏します)

なんでピアノとギターはfaireで、サックスはjouerなんですか?!

っていう話です。

例文は、口が覚えるフランス語 より

 

スポーツ篇で解説したルールが楽器にも通用すればよいですね!

 

動詞faireとjouerの意味

まずは辞書の意味のおさらいから。

スタンダード 仏和辞典 より

 

jouer
遊ぶ、戯れる
おもちゃにする
(楽器を)演奏する
使う、動かす、操る

 

faire
(具体的なものを)制作する
(抽象的なものを)作り上げる
(素材が)構成する
仕事をする
faire+部分冠詞+名詞(スポーツを)する、学ぶ、習う、携わる
役を務める

 

辞書の意味的には、スポーツの時と同様jouerには楽しんでる感じがありますね。

 

faireも技術や知識の向上という側面は変わらずですが、今回は「何かを作り上げる」というイメージも追加しておきましたよ。何となく。

 

前置詞による使い分けは今回つかえない

スポーツ篇では、

 

faire de
jouer à

 

のように前置詞の違いという側面からも考えることができました。

 

しかしながら今回の楽器篇では、

 

faire du piano
faire de la gutara
jouer du saxophone

 

のように、いずれも前置詞deが続いています。

 

なので今回は「場所のà」「部分のde」という前置詞の違いという斬り口からの解決は期待できないようです。残念。

 

動詞faireとjouerの使い分け:基本

Faire対Jouer
 


www.youtube.com

英語テロップなので、何となく見てても何となく理解できる。かも。

 

 

この動画でも焦点になっているのは「集団か、個別か」です。

 

ただ、楽器演奏については踏み込んでおらず、「楽器はJouerを使うよ」としか言及されていません。

 

なのでこの動画でFaireとJouerの使い分けの基本を押さえたあとは、自分なりにイメージを展開させてゆく必要がありそうです。

 

動詞faireとjouerの使い分け:応用

ここでもう一度本日の例文を振り返ってみましょう。

 

敢えてfaireとjouerを使い分けているわけですから、そこにはなにかしらの意図があるはずです。

 

Je fais du piano, de la guitare et parfois je joue du saxophone.
(私はピアノ、ギター、時にはサックスを演奏します)

 

日本語訳の「時にはサックス」というところから、「普段はピアノとギター、たまーにサックス」といった裏設定が読みとれます。

 

つまり、

 

●メイン
ピアノ
ギター

 

●サブ
サックス

 

うまくなりたい、プロになりたい、などなど様々なシチュエーションを想像することができますが、どうやらピアノとギターの演奏を日課にしている様が浮かんできます。

 

それと対比して、息抜きだったり気分転換だったりするのでしょうか。

「時には」サックスを吹いている模様です。

 

スポーツ篇でも取り上げましたが、「楽しむJouer」と対比して、faireには「向上心を持って取り組む」といった側面があります。

 

oceans7.ojjisan.com

一方で「2」のfaireは、競技のレベルアップや健康増進のため、日課として反復している個人練習や個人トレーニングも含めたスポーツをイメージすることができます。

 

向上心を持って「サッカーを構成するドリブル練習をする」「水泳を構成するバタ足を練習する」「柔道を構成する受け身を練習する」といった部分練習を想定しているのかもしれませんね。

 

 

 ここまでをまとめると、「根を詰めてピアノとギター」からの、「気分転換に息抜きのサックス」そんな対比がみえてきませんでしょうかみなさま!

 

以上を踏まえまして

本日の例文の解釈には2つのパターンが見えてきます。

 

●パターン1:個別か、集団か

くどいようですが、個別のfaireと集団のjouer

 

教本を開いて基礎練習だったり、時には伴奏を流しながら本番を想定して演奏。

いずれにしても、ピアノとギターは単独のfaire。1人で演奏をしているわけです。

 

一方でサックスは集団のjouer

 

学生時代の仲間たちでしょうか、今日はビッグバンドのメンバーが集まって、サックスを含めた吹奏楽器の合奏を楽しむようです。

Je fais du piano, de la guitare et parfois je joue du saxophone.
私は(普段はひとり黙々と)ピアノ、ギター、時には(仲間たちと集まって)サックスを演奏します

 

●パターン2:ガチか、趣味か

スポーツ篇でも解説しましたが、「個別」の発展形として、「向上心を持った本気」という側面がありましたね。

 

「1人でコツコツやるくらいだから、それなりに本気なんだろう」という発想でしょうか。

 

それに当てはめると、「ガチのfaire、楽しむjouer」という対比が浮かんできます。

 

Je fais du piano, de la guitare et parfois je joue du saxophone.
私は(プロを目指して)ピアノ、ギター、時には(根詰めすぎた時には息抜きに)サックスを演奏します。

 

こんな解釈いかがでしょうかみなさま!

 

ネイティブでも意見は分かれる

最後に元も子もないことを言ってしまいますが、このfaireとjouerの使い分けについては、ネイティブでも意見が分かれています。

 

Je joue du pianoとJe fais du pianoは何が違うの?
https://www.question-orthographe.fr/question/quelle-est-la-difference-entre-je-joue-du-piano-je-fais-du-piano/

 

ミュージシャンはfaireじゃなくてjouerを使う
でも練習や習い事という意味ではfaireがより好まれる
faireにはアマチュア演奏家に対する侮蔑的な意味を含んでいる
楽器演奏においてfaireは適切ではない
必ずしもfaireは不適切ではない
辞書的にはjouerが適切
辞書の話はしてない

とか、

faireとjouerの使い分けは技術ではなく演奏に対してどれだけ真剣で真摯であるかだ
ルービンシュタイン(ピアニスト)が居酒屋から酔っ払って帰ってきてピアノを弾いたらそれは「faire」が受け入れられる
娘が年末のコンサートで演奏するときは「jouer」を使う必要がある

などなど。

 

スポーツ篇と同様、個人練習や習い事という場面ではfaireと相性がよいという意見や、技術レベルが関係していて、プロならjouerで、アマチュアならfaireという主張がチラホラみられます。

 

しかしながらいずれにしても「これ」という結論に至っていないのが現状です。

 

ネイティブでも答えを出せないわけですから、私達非ネイティブスピーカーにとってはなおさらむつかしいテーマなわけです。

 

本当に元も子もなくてすみません。

 

と、いうわけで

1人で黙々と演奏するfaire、仲間とワイワイjouer
向上心を持って真剣に取り組むfaire、演奏を楽しむjouer

 

これが僕なりの楽器演奏動詞の使い分けです。

 

しかしながら、文の前後がないので妄想を膨らませるしかないという事情もありますが、僕のこの解釈も「これが正解です」と言い切れるものではありません。

 

そもそもネイティブでも答えが出せないのですから、僕が逆立ちしたところでこの問題に決着をつけることなんざできないわけです。

 

それでもやはり、だからといって、何もことを進めないままでいいというわけではないと僕は考えます。

 

今日の記事の僕のように、頭を捻ることに意味があるのだと思います。

 

絶対唯一の答えを出すことに固執することなく、それでいてこうしてグリグリ自分なりに考え、たくさんの例文にあたり、自分なりの結論を出して、そして自分なりのフランス語感覚というものを磨いてゆくことが大切なんじゃねえかなって切実に思うわけなのでありますよ。

 

そんなわけで以上、faireとjouer楽器演奏動詞の使い分け!でした。

 

本日の参考図書達