僕は前置詞deが苦手です。
何かようわからん使い方がたくさんあるからです。
「否定文になるとdesがdeになる」とかも「ようわからん使い方」のひとつです。
II n'achète guère d'aliments sucrés.
(彼は甘いものはあまり買いません)
と、いうわけで、本日は「前置詞deのようにみえてたけど実は否定冠詞だったde」のお話でございますよ。
例文は、口が覚えるフランス語 より
否定文におけるde
さっそく否定文中で用いられるdeの解説から見ていきましょう。
NHK出版 これならわかるフランス語文法
不定冠詞・部分冠詞 より
否定文中の直接目的語には<不定冠詞・部分冠詞・名詞>を使わず、<否定の冠詞de+名詞>を使います
いきなり衝撃の新事実ですよ。あの「de」って前置詞じゃなくって冠詞だったんかい!
「des」とか「de la」とか「du」の冠詞が、否定文になると何で前置詞になんねんとモヤモヤ疑問に感じてはおったのですが。
前置詞に変わってたのではなく、「否定文だから否定冠詞に変わっていた」だけだったのですね。
もーう、すごく納得。
【おまけ】複数形か、単数形か
II n'achète guère d'aliments sucrés.
(彼は甘いものはあまり買いません)
僕がちょっと気になったもので少し触れておきます。
「買わねえ」って言ってる否定文の直接目的語「甘い食べ物(aliments sucrés)」は、なぜ複数形なのでしょうか。
(気にならないという方はまとめまでスキップしてよいです。よいよい)
さてこの「否定冠詞の後ろの名詞の数性」につきましては、実は文法というよりフランス語の「微妙な言語感覚」といいますか、「どう伝えるか」という領域だと思うのですよね。
実際、手持ちの文法書にも「これぞ」という解説が載ってないわけです。
なので今日はネットの情報を中心に調べてみますよ。
ねね先生のフランス語初級文法講座
<第2課>後編~持っていない より
否定の冠詞の後ろの名詞は、普通、複数ありそうなものなら複数、そうでなければ単数にしてください。
結局、単数形でも複数形でも文法的には間違いではなくって、「話者のイメージしているものが単数か複数か」というところなんですね。
上記を踏まえまして、本日の例文をもう一度確認してみましょう。
II n'achète guère d'aliments sucrés.
(彼は甘いものはあまり買いません)
「甘いもの(aliments sucrés)」が複数形なので、恐らくこの人の頭の中には、ビスコやらガーナチョコレートBOX(一口サイズのチョコが26枚入ってる250円くらいのやつ。あれ好き。大人ブラックがお勧め)やらラムネやらドラ焼きやらバウムクーヘンやら、色んなお菓子が頭の中にポコポコ浮かんでいるのでしょう。
そう考えると、なにか1品目に絞って「なにか1つ甘いもの」という単数形を使う方が、逆に不自然になってしまうのかもしれませんねこの場合。
なので、むしろ複数形が正解と思われます。
ねね先生について
ちなみに「ねね先生」こと永倉千夏子さんは、明治大学・明星大学でフランス語講師をされていて、「マラルメ伝ーーー絶対と日々」の翻訳にも携わっておいでのフランス語エキスパートであります。
ねね先生のプロフィール
http://nenuphar-blanc.seesaa.net/category/1132319-1.html
よういち「何でねね先生って呼ばれているかというと、元々先生はネニュファール白井と名乗っていて、ネニュファールnénupharとはフランス語で睡蓮のことなのですが、ちょっと雅やかでしょ?でも人によっては言い難くて舌を噛んでしまうかもしれないので言いやすくするために”ねね”にしたんですよね、先生」
ねね先生「あなた怖いわ」
ご参考
Yahoo知恵袋より
否定文のdeの後の名詞は単数のときと複数のときが見受けられるのですが、どのような基準で判断すればいいのでしょうか。
もし複数個の存在が普通なら複数に、単数個の存在が普通なら単数に置くのがいいでしょう
と、いうわけで。
否定文のdeは前置詞じゃなくて否定の冠詞だったなんて、みなさん知ってました?
僕ずーっと前置詞だと思ってました。
僕が勘違いしていたことは、みんなも勘違いしてなきゃいやだ!やだやだ!
そんなわけで以上、否定文のdeは前置詞じゃなくって否定冠詞のde!でした。
本日の参考図書